景気の現状に対する評価
現在の景気を3か月前と比較するとその評価は次のとおりであった。
景気の現状判断DI(合計)は、前月を1.8ポイント上回る54.0となった。
分野別にみると、家計動向関連は、「悪くなっている」「やや悪くなっている」の回答の割合が減少し、「苦戦していた衣料品、特に婦人服が好調に動いており、館全体でも売上、来客数共に前年をクリアしている。秋以降、明らかに客の購買動向は向上している。」(百貨店)、等の理由から、「やや良くなっている」の回答の割合が増加したため、前月を3.4ポイント上回る53.2となった。
企業動向関連は、「増産傾向にあるので景気が上向いている。」(輸送用機械器具製造業)等の理由から、「良くなっている」の回答の割合が増加したものの、「年末用の商品受注量が前年より10%ほど減少しており、それ以外の商品も厳しい状況である。」(食料品製造業)、「7月頃から新設住宅着工戸数が4か月続けて減少しており、低金利政策が一巡して景気が低迷してきている。」(木材木製品製造業)等の理由から、「やや悪くなっている」の回答の割合がそれ以上に増加したため、前月を0.6ポイント下回る54.4となった。
雇用関連は、「やや良くなっている」の回答の割合が減少し、「求職者の確保が難しく、企業からの受注残が過去最高まで積み上がっている。また、求職者を募集するための広告費も急激に上昇しており、採算は悪化している。」(人材派遣会社)、等の理由から、「やや悪くなっている」の回答の割合が増加したため、前月を5.3ポイント下回る58.8となった。
現状判断DI
|
12月 |
前月差 |
合計 |
54.0 |
1.8 |
家計動向関連 |
53.2 |
3.4 |
企業動向関連 |
54.4 |
-0.6 |
雇用関連(参考値) |
| -5.3 |
景気の先行きに対する評価
現在より3か月先の景気の先行きに対する評価は次のとおりであった。
景気の先行き判断DI(合計)は、前月を0.7ポイント上回る51.0となった。
分野別にみると、家計動向関連は、「悪くなる」「やや悪くなる」の回答の割合が減少し、「1月から決算期に入りメンテナンス客と新規客が増え、景気は上向く。」(乗用車販売店)、「12月の忘年会が順調に伸び、今後は合格祝いや卒業、転勤時期となり外食の利用が増えてくる。」(一般レストラン)、「ボーナスが全体的に上昇傾向なので、新年度に向けての購買動向が上向きになる。」(通信会社)等の理由から、「やや良くなる」の回答の割合が増加したため、前月を2.2ポイント上回る49.6となった。
企業動向関連は、「当面主要取引先の増産体制は顕著であり、受注量に応じた増産体制が続く。ただし、中国の環境対策による工場の稼働停止の影響により、特に苛性ソーダーの価格が大幅に値上がりしているため、生産にも影響が及ぶ。」(化学工業)、「仕事量は堅調に推移する。」(建設業)等の理由から、「やや良くなる」の回答の割合が増加したものの、「受注量や販売量の動きは良くならない。」(一般機械器具製造業)、「海外生産との競合が常にあり、コスト面で非常に厳しい状況が続く。」(その他製造業)等の理由から、「悪くなる」「やや悪くなる」の回答の割合がそれ以上に増加したため、前月を2.8ポイント下回る51.5となった。
雇用関連は、「人手不足の状況が大きく変わることはなく、雇用のマッチングが進みづらい状況が続いていく。」(人材派遣会社)、「求職者の減少傾向から人手不足感が一層強まっていることを背景に、少しでも応募者を増やすため業種を問わず契約社員から正社員に切り替えて募集するケースが目に付く。」(職業安定所)等の理由から、「変わらない」の回答の割合が増加したものの、「やや良くなる」の回答の割合がそれ以上に減少したため、前月を2.2ポイント下回る60.3となった。
先行き判断DI
|
12月 |
前月差 |
合計 |
51.0 |
0.7 |
家計動向関連 |
49.6 |
2.2 |
企業動向関連 |
51.5 |
-2.8 |
|
雇用関連(参考値) |
60.3 |
-2.2 |
中国地域データ[PDFファイル]