景気ウォッチャー調査

景気の現状に対する評価

　現在の景気を３か月前と比較するとその評価は次のとおりであった。
　景気の現状判断ＤＩ(合計)は、前月を3.1ポイント下回る46.9となった。
　分野別にみると、家計動向関連は、「やや良くなっている」の回答の割合が減少し、「宝飾品の売上がクリスマス期間だけでも前年より約20％減少している。また、量販店での低価格品に消費が流れている影響で、眼鏡の購入客数も激減している。」（その他専門店）、「新型車が出ているにもかかわらず、来客数の減少と成約率の低下が極端である。」（乗用車販売店）等の理由から、「悪くなっている」「やや悪くなっている」の回答の割合が増加したため、前月を3.9ポイント下回る45.5となった。
　企業動向関連は、「今までは年末ギフトの時期が荷発着のピークであったが、大手通信販売会社の歳末セールの時期に移行している。電子商取引の増加で発着個数が計画以上となっており、人材確保がままならない状況が続いている。」（輸送業）、「年末商戦的なキャンペーンはなく、市場にも特別な需要増は見られず、例年どおりの売上で推移している。」（通信業）等が今月の特徴的なコメントで、どの回答の割合も前月と変わらず50.0となった。
　雇用関連は、「やや良くなっている」の回答の割合が減少し、「３か月前と比べて求職者の動きが停滞しているが、年末年始を挟むため、年明けから動き出す考えの人が多い。」（人材派遣会社）、「採用数が減少している。」（求人情報誌製作会社）等の理由から、「やや悪くなっている」の回答の割合が増加したため、前月を4.4ポイント下回る50.0となった。

景気の先行きに対する評価

　現在より３か月先の景気の先行きに対する評価は次のとおりであった。
　景気の先行き判断ＤＩ(合計)は、前月を1.2ポイント下回る49.4となった。
　分野別にみると、家計動向関連は、「良くなる」「やや良くなる」の回答の割合が減少し「大手自動車メーカーの報酬虚偽記載問題がこれからも影響する。」（乗用車販売店）、「早い時間のディナータイムの利用は増加しているが、21時以降の売上が前年の70％となっている。ランチタイムは好調で、団塊世代の客が増加している。新年会、送別会、卒入学などのニーズはあるが、人材確保が課題となっている。人件費が経営を圧迫しないよう店休日の増加、営業時間の短縮も検討しなくてはならず、営業体制の維持が難しくなり、経営は厳しくなる。」（一般レストラン）等の理由から、「やや悪くなる」の回答の割合が増加したため、前月を2.3ポイント下回る48.1となった。
　企業動向関連は、「やや悪くなる」の回答の割合が減少し、「売上が上向き、メーカー段階での出荷数量が前年比３％増となっているので新学期商戦に期待が持てる。」（繊維工業）、「年度末に向けた需要の高まり、消費税の引上げ前の駆け込み需要、改元による特需での景気回復に期待が持てる。」（通信業）、等の理由から、「やや良くなる」の回答の割合が増加したため、前月を1.5ポイント上回る52.2となった。
　雇用関連は、「悪くなる」の回答の割合が減少し、「米中貿易摩擦、消費税の引上げなどの悪影響があるが、東京オリンピック、皇太子殿下の御即位、改元など景気を高揚させる材料が多々ある。」（新聞社）、「大島大橋への貨物船の衝突に伴う断水と通行制限が解除されたことにより、今後、周防大島を中心に景気が回復する。」（職業安定所）等の理由から、「良くなる」の回答の割合が増加したため、前月を1.4ポイント上回る52.9となった。

中国地域データ[ＰＤＦファイル]